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スカートにストッキングでは、さすがにダウンコートを着ていても足元が冷える。
パンツスーツのほうがよっぽど温かいが、会社の規定で定められている以上反抗するわけにもいかない。
「……あ」
気づけば、22:00を回っていた。閉店の時間だ。
先ほどからちびちび食べていたケーキの、残りのひとくち大を急いで口に入れ、コーヒーで流し込む。
少しむせながら、女らしくないななどと悪態を吐きつつ席を立ち、お会計を済ませ外に出た。
冷たい空気が肺に降りてきて一瞬息が止まったが、温かい息を吐き出すと暗い闇に白い靄が溶けていった。
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