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歩いて20分ほどのところに、小洒落た筆記体で「BLUE HILLS」と書かれた、大きめのマンションがある。
皐月はそのマンションの入り口でカードキーを通す。
ピッ、という無機質な音がするとともに、ガチャンと扉のロックがはずされた。
そのまま正面のエレベーターに直進し、乗り込んで「12」の数字を押すと、わずかな重力を感じさせてから上へと昇っていく。
誰も乗り込んで来ませんように。
そう願った甲斐あってか、停まることなく12階まで辿り着き、扉が開いた。
そして通路に出て右の突き当たりの南側まで歩けば、ようやく自分の部屋に帰り着けるのだ。
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