『2』  まじわる。

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長文の最後に3行空けて 「雪」 と打たれていた。 コレを書いた人物の名前、だろう。 小説の主人公も「雪」だった。 ノンフィクション。。 実話。なのね。 パソコンの前で 俺はひとりで笑っていた。 変態か。 だけど。 この人物が綴っている言葉には 痛いくらいに心がこもっていた。 胸を打たれる とは こういうコトを指すのだろう。 選んでいるワードのセンス 赤裸々過ぎるほどの描写 心情の変化 情景、匂い… 無機質なパソコンから こんなに沢山のなにかを感じるのは はじめてだった。 最初に戻って また読み返す。 主人公に感情移入したり 相手の男に同情してみたり 頭の中でその風景を描いたり 俺の心は忙しく動かされた。 読み終えて 無心にキーボードをたたく。 画面いっぱいに 今の気持ちと感想を綴った。 「・・指、いてぇ。」 俺はそう呟きながら 送信をクリックする。 外がもう明るくなっていた。
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