『3』  僕。

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「痛かったら手ぇあげてくださいね~。」 今日は忙しい。 仕事は嫌いじゃないけど。 次の休みにはまた マッサージでも行こう…。 でも働かねば。 この間また秋冬物の受注会で がっつり注文しちゃったし。 次の請求がこわい…。 「先生、患者さん来ましたー。」 「はい、今行きまーす。」 僕は歯医者だ。 とは言っても まだ大学院生。 夕方から歯科でバイトをしている。 いまだ人生を模索中…。 バイトが終われば 彼女の家に帰って なんとなく毎日を終える。 たまに自分の部屋に帰ると ホッとする反面 空気が澱んでいて ホコリがすごくて なんだかウンザリして 結局彼女の家に行ってしまう。 一人は嫌いじゃない けど。独りは嫌い。 早く日曜にならないかなぁ。 買物したい。 「お疲れさまでしたー。」 「お疲れさまです。」 終わったぁぁぁ。。 今日は家に帰らなくちゃ。 雪からの手紙。 今日届いてるみたいだし。 届いたよーって すぐにメールしないと また怒るからな。 こえーこえー。 帰宅してポストを覗く。 「お。」 やっぱり届いてた。
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