『3』  僕。

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エレベーターに乗り 部屋に入る。 この間掃除したから 今日の僕の部屋は快適だ。 キャンドルに 火を点けていく。 やっぱ自分の部屋はいい。 雪からの手紙を開ける。 「ぅおっ!!!」 また手切れ金か!? というくらいの札束レベルの手紙。 よく書くよなぁ…。 マメだよな。 雪はホントにマメな人だ。 メールを送れば すぐ返ってくるし こうしてたまに手紙も送ってくる。 喜んだり怒ったり泣いたり 喜怒哀楽がハッキリしてて。 僕のダメな所を ズバズバ指摘するし 説教もしてくるし うるさくてめんどくさい。 けど なんか繋がってる。 しばらく会ってないな。 元気かな。 お父さんのコト ちゃんと乗り越えたかな。 怖くて聞けないでいたけど。 僕はそのずっしりとした 手切れ金のような手紙を読みながら 冷蔵庫から お茶を出して飲んだ。 時折くすっと笑ったり ムカっとしたり 話し言葉のような その手紙を読んでいると なんとなく どんな顔をしているかが浮かぶ。 久し振りに電話してみようかな。 そう思ったけど シャワーに入ってるうちに忘れた。 「手紙届いたよ~」 一言だけメールして 僕は力尽きて眠った。 疲れてたんだ。 ひどくね。 朝、目が覚めると 「それだけか(゜∀゜)!!  心込めて書いたのにっ!!  …でもいいや。  疲れてるんでしょ。  そんな時に  札束レター  まじスイマセン(怒)」 と返事が入ってた。 そんな雪。 僕の。元カノ。
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