一章 世界の広さ

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私はひいじいに毎日会いに来た 「ひいじい!学校帰りに来たよ!」 葬儀は2日後 それまでいつもどうりの私を見せようと 必死に涙を堪えていた 一人になると必ず涙が溢れそうになる それは母も同じ様だった 「帰ろう、鈴音」 きっと、いつか母とも別れなければならなくなる それは当たり前の事 この広い世界で一人が死んでも ほとんどは気付かずに生活をしている 私もそうだ、そのうちの1人 気付かずに死が私達の側にいることを知らず生活していた 世界の広さを知った ひいじいの部屋を出ようとしたその時 ひいじいの私の名前を呼ぶ声が聴こえた気がした
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