二章 別れとは

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葬式が始まった お経のリズムに身を委ね、目を瞑る その中に微かに聴こえた、機械音 その音に吃驚して私は目を開く 皆俯いて手を合わせている 私は少し辺りを見回してから手を合わせ俯いた 「それでは、最後のお別れになります」 どうやらお経等は終わっていたらしく 手には花が持たされていた どんどん棺に花が入れられてゆく ふと、ひいじいの手を触る 冷たい 冷たい 冷たい 死後硬直で、指は固く合わせられていた 冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい冷たいツメタイ… あの温かかった手は 手はどこ? 私はあの手が大好きだった けれど今ここにあるのは 氷のように冷たい手… 冷たい…冷たい…ひいじいの手…
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