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その上、男の僕が見てもカッコイイと思う顔をしている。
イジメられっ子の僕を守ってくれる男気もあって、本来ならかなり女の子にモテると思うんだけど……結構特殊でディープな趣味のせいで今まで彼女が出来た事がないらしい。……まぁ、彼女が出来た事がないのは僕も同じだけど。
「この街に姉貴以外にそんな強い女なんているのか?」
腕を組んで首を捻る雅人の言葉に気になる事があった。
「雅人のお姉さんってそんなに強いの?」
小学校の時に何度か顔を合わせただけで、最近は会っていない雅人のお姉さんを思い出す。
「確か、お人形さんみたいに可憐で可愛い感じがしたけど……」
僕の言葉に、雅人はクワッと目を見開く。
「俺の姉貴がそんなに可愛いわけがない!」
「えぇぇぇ……」
雅人の剣幕に一歩引いてしまう。
「俺の姉貴が可愛いと言うのなら、先ずそのふざけた幻想をぶち殺す!」
「それは……とんだイマジンブレイカーだね」
僕のツッコミを無視して雅人が拳を握り締める。
「いいか竜也、年上の姉貴が可愛いなんて幻想だぞ! 確かに外見は良くて外面はいいかも知れないけど、ウチの姉貴は期末テストをサボってギャルゲーを買いに行った俺に、耳から血が出るまでアイアンクローをかます様な女なんだぞ!!」
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