プロローグ 炎の如く

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「覚悟しろ」 そう言った女性は、自分を取り囲んでいた男の人達を一瞬で……本当に瞬きをする程の間に、五人の男の人を倒してしまいました。 驚く事にその女性の立ち姿がある男に重なったのだ………ッッ。世界で最も高名なソードマン、誰もが知るあの男に………ッッ。 宮本武蔵の自画像と言われているあの姿……識者の眼から見ると単なる人物画の域を超越るものと言う。 射抜くように見開かれた眼光………理想的にリラックスがなされたグリップ…重心を読ませない、それでいていつでも踏み出せる備え……そしてそれらの統合……その全てが表現されているという。 ムサシ・ミヤモトの身体能力は……………近代アスリートのゴールドメダリストを遥かに凌駕すると。 そんな希代のマーシャルアーチストに、目の前の女性が重なる。 それは、一昔前の学園物のオープニングみたいな出会いでした。違う点と言えば……男の僕が女性に助けられたという事ですね。
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