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「それじゃあ、外やここに倒れている人達って……」
「あの人に倒された人達よ」
ひかりの代わりにあやめ先輩が答えてくれた。
屈強な人達のだったけど、上穂の相手はひかりやあやめ先輩クラスじゃないと出来ないのか……。
「つまり、我々四人であの危険人物を倒さないといけない、と言う訳か」
今まで黙っていた川原先輩が、現在の状況を簡単に説明する。
…………四人?
川原先輩の台詞に思わず首を傾げてしまう。
川原先輩、あやめ先輩、ひかり……。
指折り数えて人数を確認したけど、どうにも計算が合わない。
その時、三人の視線が僕に向いている事に気付いた。
「……僕?」
「そうよ」
「そうだ」
「そうだよん」
三人が一斉に頷く。
……えぇぇぇぇぇぇッ!?
「さて……」
驚く僕を嘲笑うかの様に、上穂が一歩僕達に向かって歩き出す。
「そろそろ再開しようか。本物の武術のレクチャーを」
その瞬間、川原先輩、あやめ先輩、ひかりが瞬時に戦闘体勢を取った。
僕は何も出来ずただ背筋が震えて、その場に座り込みそうになってしまった。
『上穂重慶が歩く』
それだけで僕は上穂の凄さを知ってしまった。
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