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―――俺は。
俺は、大佐にとって…。
ただの駒だったのか?
大佐の野望を達成させる為の…。
ただの。
そう、その他大勢と同じ。
ただの手駒に過ぎなかったのかよ?
エドワードが絶望に打ちひしがれ、ゆっくりと。
そう、まるでその場から逃げ出したい衝動を必死に抑えながらゆっくりと執務室の扉から離れようとした瞬間。
「大将?」
「!」
いきなり声を掛けてきたハボックの声に弾かれるようにして振り返った。
「どうしたんだそんな所で?こんな時間に大佐に用事なのか?」
「っ…」
「大将?」
「――…」
「お、おい、大将っ!?」
自分の様子がおかしい事に気付いたハボックを。
心配そうな声音で声を掛けてきたハボックを押し退けるようにして、エドワードは司令部を逃げ出したのだった。
「ハボック少尉?」
「あ、中尉…」
「一体、どうしたの?」
ハボックの大声に気付き、執務室から顔を覗かせたリザは、そう問い掛けながら周囲を見渡し。
「―――少尉。まさか、今まで此処に誰か居たの?」
険しい表情で再度問い掛けた。
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