序章

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―――あれ?カレーいつのまに作ったの? 「もう!瑛梨菜そのセリフ三回目だよ?また記憶ないの?」 香代子があきれて言う。 テーブルの上には、おいしそうなカレーと、そして昨日の残りのお酒達。 ―――おかしいなー、昨日はそんなに飲んでないはずなんだけど。 「まぁ確かに。瑛梨菜のわりには、そんなに飲んでないけどさ」 「確かにそんなに飲んでないよな」 と、どこから現れたのか悠真が言う。 ―――でしょー?だから、私のせいじゃないよ! 「何言ってんすか!」 と言ったのは、後輩のジュニーだ。 「昨日、ジュニーにカレーくれって言ってたよ?」 と歩奈美。 ―――全く記憶がない。 「瑛梨奈、翔平達が演奏してる間も寝てたもんね」 タマまでも言う。 「そういえば、瑛梨奈お姫様抱っこしてもらってたね」 カレーのおかわりをしようと立ち上がりながら小谷君が言った。 ―――え?誰に? 「ほら、先輩に」 ―――覚えてない。先輩にお礼言いに行かなきゃ。 ―――で、先輩はどこにいるの? ―――あれ、先輩? 先輩…………?
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