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「ついた!」
ホームに降りると同時に悠真の携帯が鳴った。
「まだつかないのお~?」
健二だ。
「いこっ!」
私はなんだか嬉しくてなって、香代子と悠真の手をひいて改札へ向かった。
久しぶりにみんなに会えると思うと、嬉しくて仕方がなかった。
まるで、五年前に戻ったかのように私ははしゃいでいた。
いや、はしゃぐ事で自分を保っていたのかもしれない。
駐車場へ向かうと身に覚えのある青い車が目に入った。
「遅いぜまったく!」
健二がドアをあけて、私達を出迎えた。
んだけど………
「………ぶはっ」
香代子が笑いをこらえられずに吹き出したのと同時に、私達は笑いだした。
「あはははは、健二、どうしたのよ、そのひげ!」
久しぶりに会った健二の顎には見事なひげが。
「おま…………でも似合うわ………ぶふっ」
「ちょっと!お前ら笑いすぎ」
笑いながら車に乗り込むと、健二はむすっとしている。
「悪い悪い、でも似合ってるって」
「全く、久しぶりに会ったっていうのに爆笑かよ」
健二がCDのボタンを押した。
健二の好きなthe pillowsの曲が流れる。
懐かしい気持ちで、私は胸がいっぱいになった。
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