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「――疾れ、閃光!」
怒号と同時、暗闇に染まった空間を一筋の光が貫く。
雷撃にも似た青白いそれは、数瞬待たずに轟音を撒き散らしながら炸裂した。
遅れて烈風が通り過ぎる。
爆発により立ち込めていた黒煙はまとめて吹き飛ばされ、視界は一瞬で回復。
よく見れば、暗闇なりにも辺りの様子が見て取れる。
まずは街灯。
点灯部位は破損していて稼働しない。
次に街路。
アスファルト舗装ではなく、扇形で形成されたブロックが敷き詰められている。
そして路上に転がった車と思しき鉄塊。
恐らく、先の雷撃で爆発したのであろう。ぐしゃぐしゃにひしゃげていて、最早、原型を留めていない。
これら全てが視覚できるのは、空から差し込む微弱な月光のおかげであり、併せて大通りから漏れる人工灯の所為でもあった。
そう、此処は街のド真ん中だった。
地上四〇メートル級のビルが建ち並ぶ大都市のド真ん中だった。
そんな街の裏通り。
上空に広がる摩天楼を見上げながら、右手に青白い光を弾けさせながら、スーツの男は呟いた。
「討伐完了……と」
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