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一瞬、その気配はコウからのものだと思った。が、違っていたらしい。
後ろを振り向くとコウも同じく後ろを向いていた。勿論、オガワも…僕たちは同じ違和感を共有していたんだ。
振り返っていたコウが正面に向き直ると僕と視線がぶつかった。若干、戸惑いを見せたような表情だったが、直ぐに戸惑いは消え、違和感は確信に変わる。
「感じたか…?」
「…ああ…」
さすがのコウも怖じ気づいたように顔色が優れない。時間帯は5時半。まだ暗くなるには早く、道の見通しはいい方だった。
だが、そこには何もいない。
僕はやっとここで考え始めた。
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