前日-昼

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  真っ白い部屋だった。 染み一つない、四角い白い部屋。 見回しても家具らしきものは一切ない。 あるのは、俺の右手側にぽつんと備え付けられた鋼鉄製の扉だけだった。 気付けば俺は、そんな部屋のド真ん中で大の字になって寝っ転がっていたのだった。 「どこだここ…」 おかしい。俺は渋谷の街を歩いていたはずなのに。 そう思っていると、軋みをあげて扉が開いた。  
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