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どうなっている?ここは見覚えのある場所だ。
小さい頃よく遊んだ空き地。土管が3つあったりしないし、空き地の後ろの家に盆栽を大切にしている爺さんがすんでいたりはしない。
「マギ、ここがアルカディア?違うよな?」
マギに聞く。
「はい。ここは人間界です。おかしいですね、手順は踏んだのですが」
「つまり、俺は生まれ変われないのか?」
少女を助けた意味がない。マギは困ったように言う。
「あなたは自分の死を簡単に受け入れました。普通なら、悲しんだりするはずなのに、平然としていました。自分はいつか死んでも仕方ない。そんなふうに考えてはいませんか?」
間違ってはいない。俺はいつもそうだった。
自分が生まれ変われないのは…
「ひょっとして、別に生まれ変われなくてもいい、だけど消えるのはいやだ。と思っているからなのか?」
マギに聞く。
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