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どうやら俺は死んだようだ
何故なら今俺の体やそのまわりに人が集まってきているのを、高いところから見ている。
どうやら俺はトラックに轢かれたようで、
勿論今俺は建物の二階なんかにいるのではなく
宙に浮いている。
地上をもう一度見る。するとこっちをじっと見ている少女がいた。
黒い服を着ている高校生くらいの少女。
どこかもの悲しそうな、憂いの瞳で俺のいる方をみつめている。
俺が見えているのか?
どうやって下へ行けばいいのかなんてわからないが、少女の元へ降りようと思ったら自然に身体(今はもう魂か…)が降りていった。
少女が俺に話しかける。
「そこの死体はあなたですよね?」
挨拶も無しにいきなりすごいことを言いやがる。
「ああそうさ。よくわからないが死んだみたいだ」
ぶっきらぼうにこたえる。
「やっぱりそうでしたか。なら要件を言いますね」
勝手に話が進められた。
「あなたは死にました。生前の名前を死者は名乗れません。だから
あなたを便宜上クロさんと呼ばせてもらいます」
いきなり犬みたいな名前をつけられた。
「話を続けます。あなたが次生まれ変わるためには、仕事をしなければなりません。その仕事というのが、あなたが見える人間の人助けなんです。わかりますか?」
一方的にしゃべるやつだな…
「お前は見えているんだろう?だったら簡単だ。お前は今何に困っている?
それで仕事というやつを済ませればいい」
簡単なことだよな。
「それはダメです。何故なら私は人間ではありません。私はラディ・アルマ(疑似神人)です。
簡単に言うと、あなた方が言う天使なんです。私も周りにいる人からは見えていません」
つまり困っていて俺の見える人間を探して人助けせにゃならんらしい…
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