その木の下で

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 暖かな風が頬を撫でて行く。  日差しは日毎に強く肌に照りつける。 「今日はあったけぇな。」  屯所の庭の木に背中を預け、俺はのんびりと日の暖かさを全身で感じる。  最近、大きな捕物もなく、平和な日が続いていた。  ---そんな平穏をぶち破る声。 「たったたた、大変だぁ!!」  いい気分で寝ていたのに、台無しじゃねぇか。 「何だってんだ?馬鹿助がっ!」  どうせ、ろくでもないことなんだろう。  そう思いながら、俺は重い腰を上げた。  -----何が起きているかも知らずに…。 .
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