王の冥い遠足

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  「あのねぇ、私はこれでも人間なの。一々あんたらの基準に付き合ってたら、体が持たないわ」  疲れたように言う霊夢。だが、レミリアは見た目通りの我が儘さを発揮し、そんな些細なことなど毛ほども気にしない。 「別にいいじゃない。どうせ、貴女はすぐに死んでしまうんだから。生きている間くらい、私の遊びに付き合って頂戴。疲れたのなら、死んでから休めばいい」 「……妖怪の理屈は、ホントに理解出来ないわ」 「それは、私だって同じことさ。私は霊夢の考えてることなんて、理解出来ない」 「妖怪なんかに理解されなくても結構よ」  霊夢はツンと言い放つと、手にした湯呑みから茶を一口啜った。  そして、それからしばらくの間、二人の間には無言の時間が続いた。霊夢は時折思い出したように茶を飲み、レミリアはそんな霊夢の動作を、逐一観察する。  この暢気な時間の浪費が、このまま永遠に続くかと思われた頃、誰にともなく、唐突にレミリアは呟いた。  
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