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「目の前に突然現れた謎の美少女が必死に戦う姿見せられて、逃げたら人間失格だと思わない?」
「び……美少女って。で、ですが、私はこの先……強制はしません。サラ・イクテュエスは、オリヴィア・スコルピオスを目の前で亡くして、後悔をずっとしていました。だから、私はオリヴィアの転生者である先輩を全力で守ります」
「そこまで言われて、星の定めを受けた力があるのに知らないフリして守られてたら、オリヴィア・スコルピオスの……最強の黒騎士の名に、恥じてしまうじゃないか」
非現実的な日常に変化する躊躇いも、今起ころうとしている異変も、涼子の中ではどうでも良かった。涼子の心は、目の前に居る楓の決意と、自分の中にあるオリヴィア・スコルピオスの意志に突き動かされていた。
「勿論、楓を1人きりであのレイラ・ウィスティリアとか言うのと戦わせるのは嫌だ。それにあんなバケモノと今まで戦って来たんだろう?」
「鳳先輩……。はい」
「また此処で引き合わせてくれた縁に感謝するよ。だから一緒に戦う。それと、他人行儀な呼び方は……なし、ね?」
「はい、心強いです。涼子先輩」
「よしよし。それにしても何で私が転生者だって断言できたの?」
「魚座・蠍座・蟹座は水のエレメントの括りなんです。だから、図書館で見た時確信しました。レイラはおそらく直感的にでしょう」
此処に、“双魚宮”と“天蠍宮”のエレメントが紺碧の糸により、時空を超えて再び出会う事となった――。
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