#02 カミーリア女王国

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 女性初の騎士で、現・騎士団長ギルバートの従騎士であった経歴を持つオリヴィア。国内の評価は賛否両論であった。評議会の反乱が起こるまでは――。 「蹴散らせ! ウィスティリア王宮に近付けるな!! 我等にはルージュ様の加護があるぞ!」  騎士団長ギルバートが騎士達を鼓舞する。反乱の主導者は現女王・ルージュの父、ナシェル。女王の夫には知略が必要とされており、政治を行う評議会長の地位が与えられる。女王であった妻の死後、己の私利私欲が為、即位した娘に刃を向けたナシェル。  オリヴィアは、女王の間に居た。警護の騎士に混ざり、その女王としての意志を確認する為に。 「本当に良いの?」 「私は女王よ。例え家族を犠牲にしてもこの国を、民を守らなくてはいけない。だから、オリヴィア……お願い、反逆者ナシェルを討って」 「ルージュ……いや、ルージュ・ウィスティリア女王陛下。私は貴女の旧友として、騎士としてこの乱、鎮めて参ります」  髪が長く、22歳だが少し幼さが残る綺麗な顔立ち。王座に座り、少し俯く女王ルージュ・ウィスティリア。  オリヴィアとルージュ。互いに切磋琢磨して知識を競った学友であり、信頼が誰よりも深い間柄。オリヴィアはルージュの気持ちを確認し、戦場と化したクロス村陣営に一度寄る。  ナシェルの起こした戦いに巻き込まれた罪もない民達。歩きながら、転がる死体を見るオリヴィア。ナシェル派の人間や、迎え撃った騎士、その死体の中には民と思われる死体もあった。 (罪の無い民を殺し、自ら自由を唱えるなど……人間の屑だな) 「チッ。この家も大した物ねぇぜ!」 「オイ、来いよこっち! 美人な姉ちゃんが居たぜ!!」 「や……やめてっ!」 「暴れんじゃねぇよ!」  オリヴィアは民家が襲われているのを発見し、3人のうち1人が民家から若い白髪で、カミーリアでは珍しい青い瞳の少女を連れ出した。嫌がる少女に、連れ出した男は暴行を加えた。  強奪・暴行・殺人……。これでは賊と同様である。オリヴィアは抜刀する。
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