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椿専門高等学校の制服を着た少女。学年色のネクタイかリボンどちらかを着用指定されている椿専門高等学校の制服。緑色のリボンをしていた少女は新入生という事が分かった。
(初めて見るのに……。この子何処かであったような気がする)
涼子がそう思いながら、相向かいに本を読む少女を見た瞬間……
――ドオオオォォン!
「「……!」」
「きゃああぁあっ」
「何だ何だっ!」
「皆様落ち着いて下さい!」
近くで大きな爆発音が聞こえた。利用客はその大きい爆発音に驚き、悲鳴を上げる客も居た。驚きながらも文化会館の管理者達が避難を促した。
(鳳涼子先輩……私が探している人なら良いけど)
少女は驚く涼子を余所に、少し嬉しそうな笑みを浮かべてから図書館から足早に出て行った。
「ちょっ……」
涼子は少女が足早に出て行くのを見ると、恐らくは爆発音がした現場に行くのではないかと予想が出来たが、引き止められずに後を追う事にした。
文化会館の反対側は山に覆われて人気も少ない。少女が森林内に入っていく姿を、涼子は見ていた。後を追う為、涼子も森林の入り口に足を進めた。
「……っ!?」
森林に先に入ったはずの少女が、涼子の目の前に現れた。しかも、全身を白銀の鎧に身を包んで。胸元の椿と、肩に黒く彫られた綺麗な模様が印象的な鎧で、白銀の天使のようだった。
「鳳先輩、この先は生身の人間では死ぬ危険があります……。お願いですから引き返して下さい」
「君はどうなる……!」
「私はこのエレメントの力を持ってますから」
「エレメント?」
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