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そう、大学という場所は可能性を持った人間が集まる場所。
小学校、中学校、高等学校と、どの段階でも審査的なものは行っているが、分野に長けた、研究に役に立つものを探すには、勉強をするため、研究をするための大学という場所が一番適していたのだ。
「この場所で求めていたのは、むしろ知識だったはずでしょう。なのに、なぜですか? 貴方は、どうしてあの人を引き入れてしまったのです?」
どうしてだろう。
言われてから、一魔は暢気に考え出していた。
確かに確固たる理由があって誘ったわけではなかったと思う。
きっかけとしては映像を解析していた時に居た部下の何気ない一言だったと思うが。
しかし、本当にあれだけが理由だったのかと考えてみればどこか違うような気もする。
だとすれば、自分は無意識に求めていたのだろうか。
強さとか。
研究者になるとか。
そんな、『組織に必要な理由』ではなく。
彼自身を。
古西秋という人間の何かを、求めていたのだろうか。
「……わからない」
「え?」
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