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🎵
ピッ
携帯がやかましくカルメン組曲を流す。3年ほど変えていないお気に入りの着信音。
「もしもし?」
『お、飛作か?』
「こんな時間に迷惑な奴だな」
『ごめんごめん。気になってさ』
電話は卍飛作の地球の友人からだった。
『オルド、帰ったのか?』
「ああ、たった今な」
『そうか……なんか、あっという間だったな』
「あの空に、明けの明星が輝く頃…ひとつの光が宇宙へ飛んでいく。それが私なんだよ」
『?』
「オルドからの伝言」
『あいつにしちゃ、えらくロマンチックだな』
「どうせ誰かの受け売りかパクりだな」
『あ、ああ……なんだぁあれ?』
電話の様子がおかしい。
「どうした!?」
『外、外見てみろ!!』
「なんだよ?」
『い、いいから! お前んちなら……北東だ!!』
「北東?」
飛作はカーテンを開け、友人が言った方角を見る。
「あ! あれは!!」
円盤の大群、それとドッグファイトを繰り広げる赤い光球。
『あれ、オルドじゃねぇのか!?』
「まずいぞ、今のオルドは……」
『え?』
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