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一時間前
『帰る前に、君に命を返さなければな』
卍飛作の前に立ち膝で構える巨人。あれがオルド、ウルトラマンオルドその姿だ。
『あの時はすまなかった。私の命を分けよう』
「いいのか?」
『もちろんだ。こうしなければ君は死んでしまう』
「おまえは大丈夫なのか?」
『帰るぐらいの元気はあるさ。もう、戦えないだろうが私には必要ない。静かに隠居生活でもするよ』
「そうか、なんかごめんな」
『戦いが全てではない。教えてくれたのは君だろう?』
「そうだったな」
ビコン ビコン
オルドの胸の光が赤く点滅を始める。
『うん、やっぱり君がいないと30秒ももたないか』
地球の大気はオルドには適さず、卍飛作の体を借りなければ。姿を保つことができないのだ。
『あの空に、明けの明星が輝く頃…ひとつの光が宇宙へ飛んでいく。それが私なんだよ』
「なんだよそれ」
『皆に伝えてくれ。さようなら、飛作』
「ああ! オルド!!」
デュワッ!!
オルドは赤い光球となって夜闇へと消えた。
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