絶望の中の光

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5匹もいれば個体差ってのがでてくる。人間と同じだ。種族は同じでも、そこには必ず優劣が生まれる。 足の速い奴、力が強い奴、頭がいい奴。シルバーウルフも例外じゃない。必ずスピードに差がでる。 だからそこを狙う。一気に5匹を蹴散らすことは無理だ。この状況で魔力を練ることも難しい。 ならば、俺に到達するまでの僅かな差。飛びかかり早く到達した優秀なシルバーウルフから、気絶させてやる。 俺は背後のシルバーウルフに肘打ちをかました。次に右のシルバーウルフをソウルイーターの腹で受け止めた。そいつはその衝撃で気を失う。 次に左。こいつは左足で蹴り飛ばす。 後は正面。すぐさま俺はソウルイーターを横に薙いだ。シルバーウルフが肩に噛み付いたが、痛みは皆無。的確に犬歯を斬ったからな。それに魔力で強化した体は、その他の牙では貫けなかったみたいだ。 俺はシルバーウルフの首根っこを締め上げ気絶させた。後の一匹は……逃げたか。 「ふぅー。終わったな」 リリーは俺が気絶させたシルバーウルフに、留めを差しながら近寄ってきた。
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