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「だははは!それはそうだよい!こんな時代で他人を普通は信用しないよい。こっちも警戒してるんだ。お互い様だよい!」
まだ警戒してる、か。どうやら訳ありで俺らを入れたみたいだな。
「俺らを入れた理由はなんだ?」
男は歩きだす。その背中は付いてこいと言ってる。
「それはうちの村長に聞けよい」
その後は会話もなく、ただ真っ直ぐ歩く。リリーは終始興奮気味で、全てに目を輝かせてた。それにしても村人達が良い目で睨みやがる。
部外者が入ってきたからしょうがないが、この視線は異常だ。一人一人が迷子の子供みてぇだ。
村の大きさはかなりのもんだ。結界はドーム形に張り巡らされてて、鳥一匹侵入できないだろう。
「ねぇねぇ。何で空にも結界が張ってあるのに、雨が降ってるの?」
確かに今は小降りで気にならなかったけど、言われてみれば変な話しだ。
「それはだよい、ここの村の結界は、非魔力体は通すんだよい」
リリーがそれにポカンと口を開けている。
「むむ!つまり、魔力を持たない物質は、この結界を通れるってことぉ?」
「まぁそうなるよい」
淡々と答えているが、そんな結界を張れるのは相当な力の持ち主だ。高度なテクニックと、魔力が無けりゃこの村全体を覆い隠せないし……
「一体誰が?」
「それは自分で聞くよい。ここが村長の家だよい。俺はここで待ってるから、挨拶してくるよい」
木で出来た外装は、他の家と大差はない。
「リリー、行くぞ」
俺は木製の扉を開けた。中はモダンな雰囲気が漂っていて、甘い匂いが立ち込めていた。
入って直ぐに、これまた木製の椅子に腰掛ける男がいた。
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