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「一からぁ!?やるねぇ~。アマンダちゃんって何才?」
「アマンダは19だよい」
「むむむ!リリーちゃんと一歳差だよぉ!!アマンダに会いたい会いたい!」
リリーは昔から俺と……あと師匠とずっと一緒だったからな。同年代の女の子とは話したことも少ない。だから、この村に歳が近い女の子がいてよかった。
それにしてもリリーには警戒って言葉は、念頭にすらねぇな。俺も殺人事件を引き受けたが、それはこいつらを信用とかしたわけじゃない。
確かにネルスの生き様や決意には、俺の中の何は動かされた。でもな、そんなことよりも俺は自分の利害を考えた。その結果がこれだ。
食料や水は勿論、殺人事件を解決するまでは、この村で体を休められる。長居はしたくないが、これからの山越えを考えりゃしょうがない。
「君達、今日はヘルガの家に泊まるといい。私の家に泊めてやるのもいいが、リリーちゃんがアマンダに会いたいならヘルガの家がいいだろう。ゴホ……ゴホ。
いいかい……ヘルガ?」
「俺は構わないよい。君達がいいんならな。ゾルドはまだ警戒してるみたいだからよい」
「……」
ヘルガ……こいつは鋭いな。何か引っかかる。仮にこいつが殺人犯だとするなら合点はいく。人間の血の匂い……こいつは近い内に人を殺してやがる。
「ゾルドいいでしょ?」
おもちゃをねだる子供みたいに言うな。かぁぁ……俺はお前のそれに弱いんだからよ。まぁ今はあれこれ考えるより、その場の流れに任せるか。
「ああ。すまないな。迷惑をかける」
「迷惑だなんてないよい!こっちもリリーちゃんみたいな元気な子は大歓迎だよい」
リリー限定かよ……そりゃそうか。俺が自分で壁を築いてるようなもんだからな。
「やったぁ!なら早速ヘルガの家へゴー!!」
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