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お世辞にも綺麗な料理とは言い難い焼き魚を作った俺は、豪快にかぶりつく。
リリーもむしゃむしゃとそれにかぶりついた。
こんな原始人みたいな生活を俺達は三年も続けてる。旅のスタート時の二人の持ち物なんて、最悪だ。
柄から刀身から何もかもが黒の大剣と、全てが黄金に輝く細剣だけだった。それと寄せ集めの金。一掴みもロクに出来ないくらいの金額だった。
でも、それだけでよかった。というより、それだけが大事だったんだ。俺達は性格も、生き方も違う二人だった。
でも、枯れて死に損ないの木に寄りかかっている二つの剣が、俺達を引き合わせたんだ。
俺達は闇と光。共に存在するためには、欠かせない表裏一体の関係。たぶんそうなんだ。いや、そうなんだ。
旅の目的は違う。でも、俺達がしなきゃいけないことは同じ所にある。
俺は復讐。リリーは救済。一見相反するその目的なんだが。まぁ、その話しはこの物語を進めていけばわかる。
とりあえずは寝ることにしよう。俺はたらふく喰って、既に寝てしまった付き人に、夜風を凌ぐための毛布をリュックから取り出すと、割れ物を扱うようにソッとかけてやった。
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