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外は快晴なのか、窓から光が差し込み、心地好い風が室内へと入ってくる。
「・・・ん・・・」
意識が戻ったのか、うっすらと目を開けると
そこにはどこか懐かしくもあり、よく見慣れた景色があった。
「ここは・・・??」
朦朧とした頭で
ギンは呟くように言った。
「よ・・・よかった。目が覚めたんですね!!」
声のする方へと視線をやると、
目に飛び込んできたのは四番隊 山田花太郎だった。
「キミは・・・なんで・・・?」
状況が把握できていないのか、ギンは不思議そうな顔で花太郎の方を見ている。
「ちょっと待っててくださいね!!
僕、卯ノ花隊長呼んできます!!」
花太郎はギンの意識が戻ったことを自身の隊長へ報告しようと、
そう言い残して部屋から出て行ってしまった。
「・・・話・・・聞かへん子やなァ」
はぁっと溜息をつけば、
ギンはボンヤリと花太郎の後ろ姿を見つめながら呟いた。
そして、ふと視線をそらし、辺りを見回した。
さっきのあの子・・・
確か四番隊の子やったなァ。
すると此処は四番隊・・・??
「夢・・・やったら・・・」
自分は藍染隊長について虚圏に行った、
言わば裏切り者だ。
尸魂界には二度と戻って来れないと思っていた。
ましてや、四番隊の隊舎で治療をされて寝ているなど・・・
こんな光景あるわけがない。
あってはならないのだ。
ギンは思った。
『夢やったら・・・
このまま覚めへんかったらえぇのになァ』
そう思いながら、ギンは静かに目を閉じた。
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