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「え、えと…」
それは風紀委員の、安田萌香だった。
髪は薄茶色で、それを左のサイドテールにしていて、前髪には花の飾りが付いたピン止めをしている。
確か小学校が同じで、中学では離れたが、高校では同じクラスだったはずだ。
さっきの音はどうやらペンケースを落としたかららしい。
安田が慌てて散らばったペンを拾っていると、
「…萌香?」
愛川がそう言った。
それに安田も、
「里穂ちゃん、久しぶり。同じ高校だったのは知ってたけど、今まで会わなかったね。覚えてる?」
そう言ってクスリと笑うと、今度はこちらを向き、
「え…と、金井真二君だよね、しょ、小学校が同じで…お、覚えてる…か、な」
「ん?あぁ覚えてるよ、良く泣いてたよな」
俺が笑いながらそう言うと安田は顔を真っ赤にして、俯いた。
と、思ったらガバッと顔を上げ、
「そっ…そうだ!あっあの邪魔しちゃってごめんね!わた、私屋上のフェンスが破けてるって聞いて…」
安田は慌ててそう言うと、キョロキョロと辺りを見回した。
それに愛川が
「別に邪魔とか無い。こいつとは友達だから一緒にいるだけ。それと破けてるのはあそこ。」
そう言うと「あっち」と指を指した。
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