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そして津波のように襲い来る憎しみの言葉は、よく聞き慣れた愛しい声で締めくくられた。
「柘榴、やっぱり君は、生きてちゃいけないんだよ。だって君、つまんないんだもん」
柘榴は初めて顔をあげた。
そして振り返る。
柘榴を取り囲む、薄紫の髪と紫紺の瞳の群衆。その中に、ひときわ見事なラベンダー色の艶やかな髪をなびかせた鬼灯の姿があった。
柘榴と愛を語り合った同じ瞳で、その穏やかな声で、他の何にも勝る残酷な言葉を吐き捨てる。
「つまらない……? わたくしの何が、つまらないと言うのですか? あなたはわたくしに、何を期待していたのですか……?」
真っ青な顔をして、柘榴は問うた。震える声を必死に紡ぐ。
鬼灯は爽やかな笑顔を張り付かせて答えた。
「だって君、僕たちとは違って、男と女の間から生まれて来たんだろう? だから面白いものが見れると思ったのに、君には何もない。つまらないんだよ、君は」
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