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脈打つたびに、その鼓動までもが痛みを伴って頭に響く。
取り戻された意識から、柘榴は自分が今生きていることを認識した。
痛みの波が押し寄せるたびに、願いとは裏腹な、胸が悪くなる“生の喜び”を感じる。
それは最早、本能だった。
柘榴はモザイクの目を、またゆっくりと開いた。
輪郭のない影が、無数に柘榴を取り囲んでいる。すぐにそれは、柘榴を追い立てた街の人々だということに気づいた。
──何故わたくしにとどめを刺さなかったのかしら。
何故わたくしは生きているのかしら──
この上彼らは何を求めるのか。疑問と恐怖が湧き上がったところで、柘榴はとてつもない違和感を覚える。
一切の気配が、感じられないのだ。
木々を渡る風の感触も、森のざわめく音も、奇妙な動物や虫たちの鳴き声も。
そして、あれだけ柘榴を傷めた人々の怒号も。
ひっそりと静まり返る、というものではない。
辺りは、完全なる静寂であった。
意識が明瞭になるにつれて視界が晴れる。
柘榴は人々の姿を見て、声にすらならない叫び声をあげた。
「────ぁぁっ!!」
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