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「……O.K.いつでも来い!」
「……」
いちゃいちゃしながら風呂入って、念のために一通り前処理の説明をして、先に俺は風呂を出た。
ぶっちゃけイタす方からしたら、前処理はしてもしなくてもあんまし関係無いんだけど、イタされる方からしたら、面倒臭いけどちゃんとしといた方が後々楽だから。
しばらくして出て来た仁は、長湯ではない意味で早くもグッタリ気味。
いつもの風呂上がりのビールを飲むこともなく、足早に寝室に向かう…まではよかった。
……なんだ、このいかにもな戦闘体制は(泣)
「あの、さ?もっと普通でいんだけど…」
「は?俺普通、超普通だし!ってかどっか変??」
「……はぁ…」
「な、何?変なら教えて!!(泣)」
変なのはお前だ!とも言えず、二度目のため息は飲み込んで、にっこり微笑んで嗜める。
「…もう無理しなくていいよ。いつも通りしよ?」
少し残念だけど、これは本音。
実のところ、仁のそういう覚悟とか思いやりを知った時点で、俺の入れたい願望は二の次になっていた。
今は、早く抱き合って愛し合って一つになりたい。
ただそれだけ――――…
「何で?かめは俺のこと抱きたいんじゃなかったの??」
「いや、だから…」
だって、俺だってお前に無理強いなんかさせたくないし。
「……もしかしてかめ、俺のこと満足させる自信ないの?」
「……は?」
あー…なんか今、すっげ馬鹿にされた。
超~~カチンきた。
「だよなー?俺ってば自慢じゃないけど上手いもんなー♪スーパーテク?っつーの?(笑)」
……その全てにおいて疑問形で話す癖、なんとかしろよ。
こ―の顔だけ男が!!
「しょーがないから今日もお…「少し黙れよ。萎えるだろうが」
言って、いらんことばかりを吐き出す煩い唇を強引に塞いだ。
後から考えれば、お前はテンパりすぎて饒舌になってただけだ。
だけど、俺の男心を無意識に傷付けたのも、オスの闘争心に火を点けたのも。
確実に仁、お前だ。
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