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啄むようなキスを繰り返して、そのままベッドに押し倒してから深いキス。
「っ…かめ、あ、ちょっと…!!」
ベロリ、咥内を一通り味わったところで、待ったが掛かった。
「…何?」
「や、あの、がっつきすぎ?ってゆーか…?」
「安心しろ。いつものお前はもっとねっとりガッツリだ」
そんな事実を忠実に述べてやる。
「えーそんなこと…あるか?」
「…だからそのアホっぽいしゃべり方やめろ。つーか黙って感じてろって」
抵抗自体は強い訳ではない。
仁が本気で嫌がれば、俺なんかひとたまりもないだろう。
だからそれまでは俺だって本気で攻めてやるし、あわよくば最期までシテやる。
そんな新たな決意を胸に、攻撃再開。…の前に。
「…ねぇ仁、今日は俺に全てを委ねて?お願い……」
囁くように耳元で言って、そこに柔らかく歯を立てる。
すると小さく仁の身体が奮えた。
……知ってるから。
俺がお前の甘い囁きに弱いように、お前も俺のこの声に弱いの、知ってる。
ゴクリ…それを証明するかのように、仁が生唾を嚥下する。
自然と引き上がる口角がバレないように、短くなった髪を梳くように撫で、少し焼けた肌の上にキスを落としていった。
しかしながら、感度というのはある程度慣れも必要なもんだと、今さらながらに思い知る。
弱点である鎖骨は避けたものの、とにかく擽ったさが先に立つらしい。
乳首を舐めれば
「うひゃっ」
腰や背中を撫で上げれば
「……」
無反応(泣)
「え、えーと、かめぇ?上はもういいから、出来たら下、触ってくんない…?」
されてる本人も気まずそうに、その先を促す。
さすがの俺も諦めて、言われた通り下肢に手を伸ばした。
「……つーか感じてないくせに、なんで半勃ち?」
だからこれは、ちょっとした負け惜しみの悪態だったのに。
「は?そりゃ好きな奴が裸で上に乗っかってんだぜ?勃つに決まってんだろーが」
きっぱり。当たり前のように言い放つ仁に、また愛しさが込み上げた。
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