百聞は一見に如かず

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    …いやいや、落ち着け。 俺らのセックスでオーラルは基本中の基本。 だから普通になんの問題もない。うん。 気を取り直して、再度パクン。 「…かめ、ごめん…」 「ふぇ?…っ?!」 突然謝られて。 一瞬の出来事だった。 がしっと両手で顔を固定されて、全部は入りきらないはずのそれを、一気に喉元まで突き立てられた。 「ンん―――…!!」 込み上げる反射嘔吐さえも許されない圧迫感。 さっきまで精魂込めて可愛いがってたそれが、凶器になった瞬間。 つーか、なんて体勢で器用に腰振ってんだコイツはっ! 人の口ん中をマン●替わりに使うんじゃね―――!!アホ―――――!!!(泣) もはや拷問に近い行為に、苦しさから涙が出てくる。 「…っう、」 小さな呻き声と同時にピストンが止まって、小刻みに奮える仁の身体。 少し遅れてコプッ…と、喉の奥に熱い飛沫が吐き出された。 ……。 「っかはっ!!ゲホッゲホゲホ…っ」 最期まで出し切る動きの仁を突き飛ばして、思いっきり噎せる俺。 「あ、かめごめん。ついっ…」 つい、じゃねーよ!ふざけんな!!(泣) なんて言いたくても、まだ言えないから目だけで訴える。 「はぁ――…でも気持ちいかったぁ…」 恍惚とした表情で呟く仁に、殺意を覚える。 テメーどの面提げて、セックスはお互い気持ちよくないと意味ないなんて言いやがったんだ?あぁ?? もう本気で逃がさない。 泣いても喚いても、ガンガンに突いてえぐって掻き回して、その身体から作り変えてやる――…。 闘争心の上に、メラッと燃え上がる加虐心。 「…本当にごめんなさい」 今更、申し訳なさそうに肩を落として、精液やら涙やらでぐちゃぐちゃになった俺の顔を濡れタオルで拭いても遅い。 「でも変に煽るお前も悪いよな…?」  「……」 さて、今まで以上の覚悟をしてもらおうか。  
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