百聞は一見に如かず

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side.A 可愛い恋人に自分を求められた。 そうなれたら安心して送り出せるから、なんて。 恥ずかしそうに顔を赤らめて。 そんな風にお願いされて、拒否れる奴なんているのだろうか―――――――……? ……。 カッコつけずに、拒否っときゃよかった(泣) 「ぬあ゙ぁあぁ~~~ん゙ん~~~」 凄まじい不快感をケツに感じ、唸らずにはいられない。 「…仁、もう少しカワイイ声出すか黙るか、どっちかにして」 「無理ぃ~~何これ?気持ち悪すぎるぅ~~(泣)」 「……はぁ…やっぱヘタレ」 そして今、その可愛いはずの恋人はとっても不機嫌。 その証拠にさっき、温めてもないローションを、無言で直接ケツに入れられてピギャッてなった。 今も言葉の端々が冷たい。 …まぁ、俺が悪いんだけど。 「ってかまだ指一本しか入ってないし」 「うっそ…んあ゙~~~~!!」 グルリ指を回されて、また違う不快感。 グジュ…って聞こえてくる聞き慣れたローションの音はエロいのに、全くそんな気になれない。 そして何より… 「仁、もう少しお尻上げて?やり難いから…」 「……っ//」 この体勢が堪らなく恥ずかしい。 俯せで腹の下にクッション2個挟んで、ケツだけ突き出してる状態。 こんなのガキの頃に大熱出して、親に無理矢理座薬入れられた時以来の屈辱だ。 「…ねぇ仁、そんなに嫌?」 「え、……」 不機嫌だった態度とは一変、切なげなかめの声に驚いて振り返る。 見えたのは、目尻を下げる悲しい微笑み。 「ふふっ…そりゃ嫌だよね?覚悟決めてたって言っても、今まで仁から一度だってそういうの聞いたこと無いし……」 「ちがっ!」 確かに言ったことは無い。 でも俺は、かめになら何されてもいいって思ってるのは嘘じゃない。 「いいよ、無理しないで。初めてはやっぱりキツイし、絶対に痛いから…」 そう言われて、漸く気付く。 そのキツくて痛い初めての時だって、かめは何も言わずに俺を受け入れてくれた。 だから俺は、今までそんなかめの強さと優しさに甘えて来ただけだったんだ。 自分の情けなさを痛感した瞬間だった。  
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