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事の発端は今日の朝の事だ…と思う…
俺は普通の高校生であって、こんな変な所の住人じゃない。
俺は東京にある中堅私立の2年生。いたって普通だ。
寮で同室の友達と何時も通り話しながら登校していた。…ちなみに寮から学校までは30分位。結構遠い。
「…あ。」
「ん?どした?有栖?」
「やべぇ…………忘れ物した…生物のレポート…」
「はあぁ!?今日提出だぞ!?どうすんだよ!?」
「どうするもこうするも…取りに戻る!!」
「もう学校つくのに!?」
「しかたねーじゃん…じゃあ担任に遅れるって言っといて!よろしく!」
友達の「俺も行く」と言う発言を無視って寮へ走った。
「………うん、1限目始まってるな~…よし。サボろ。」
…とまぁこんな感じでゆっくり行こうってことなんですけどとりあえず急ぐだけ急ぐ事にして近道の駅前通りを通ることに。
スタタタタタタッ…
「うあ?」
視界になにやら白くてふわふわしたものが…
…タタタタタタッ
「あ…あああ…!かっ、可愛い…!」
兎でした。
真っ白の。
「でも、あれ?なんか変なような…」
兎は兎でもチェック柄のベスト、手には懐中時計
…なにより
「はしってる…二本足で!!…可愛い…」
でもその時の俺は兎をなでなでする事以外眼中になかった。
それで、追いかけてしまった。
兎は暗い路地裏に入り、キョロキョロと周りを見回してから、筆を取りだしてなにやら描き出した。
3分後、兎の目の前には空中に描かれた大きな扉が。
兎がそれに触れると、ぽふんっと軽い音がして…
本物の大きな扉が兎の目の前に現れていた。
それで、兎は扉の中へ…
落ちていった。
「はっ!?え、ちょっ…!!」
ドアから下をのぞきこむ。
…と、
ぐいっ!!
「は」
大人の男のほどの力に引っ張られる。
当然、下に落ちる俺。
すぐ下には兎。
「こ、こんなことって…」
「ありかよぉおおおぉぉおお!!」
落ちながら俺は意識を手放した。
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