ぷろろ~ぐ♪

2/4
前へ
/50ページ
次へ
高校の入学式と言っても、中学まで友達が少なく、その少ない友達とも惜別した彼は退屈していた。 この長い人生の退屈に比べれば入学式の退屈など取るに足らない。 新生活の期待や不安。 この高校生活三年間のクオリティーは入学式からの短い期間で決まる。 絶望的に長いこの三年間。 やる気はある。 入学式が終わり、学友と呼ばれる人達の波に乗り、教室に向かう。 中学時代からの知り合いと同じクラスになった人が多いらしく、意外とにぎやかだ。 彼は何をするわけでもなくぼーっとしている。 担任がやって来て自己紹介を始める。そして出席番号順に自己紹介するように指示。 多少、教室はどよめいたが、指示に従い自己紹介が始まった。 彼は自己紹介に興味津々。できるだけ多くのクラスメートの顔と名前を覚えるように努める。 「坂口大揮(サカグチダイキ)です。よろしく。」 自分の番が来て、そつなくこなした。 しかしあまりにも薄い自己紹介。 言ったそばから軽く後悔する。 その後も続く自己紹介。 「畑山花怜(ハタヤマカレン)です!!趣味は読書とアニメ鑑賞。好きな言葉は『人がゴミのようだー。』特技はアニメキャラでしりとりする事です!!あと、毎日、自慰行為はかかしません!!」 クラス一同、開いた口が塞がらない。 大揮の隣の席の女の子がとんでもない自己紹介をかました。 花怜と名乗った女の子はしてやったりな顔で着席した。 変な空気になったが、自己紹介は何事も無かったかのように進行した。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加