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タツミ「大丈夫なのか?俺達だけで…」
タツミの不安そうな声に、マサシは意識内での会話を中断した。
タツミ同様、コウタも不安そうにしている。
無理もない。
今回はベテランのサクヤもいなければ、悪鬼のような強さのソーマもいないのだ。
いくらマータ単体とはいえ、3人では不安は隠せないのだろう。
マサシ「やるしかねぇよ。…ぶっちゃけ、6人でやったとして、マグネシウムがやられたらまた1から集め直しだし、女性陣がいると、タツミがヒバリちゃんから軽蔑される危険もあったからな」
コウタ「だよな…アリサもかなりキレてたし」
マサシ「だろ?だから、ここで俺達3人でマータを仕留めれば、とりあえず俺だけ置いて仲間を呼びに行った、タツミとコウタの失点は挽回できるはずさ。…サクヤさんからのお説教だけは免れないけどな」
タツミ「そうだといいんだけど…」
言いかけたタツミが、血の気の引いた顔で絶句する。
コウタも同様だ。
マサシ「大丈夫だって。一応、俺も多少の脚色も混ぜて弁解しとくし…」
と、何かがマサシの肩をトントン、と叩いた。
マサシ「うっさい、後にしてくれ。…まず、ヒバリちゃんへの弁解だけど、筋書きとしては…」
タツミ達の失点を挽回する作戦を説明するマサシの肩を、再び何かが叩く。
マサシ「るせぇ、こっちが先だ」
なおも振り返らずに言い捨て、タツミ達に説明するマサシの背後で、三度動く気配。
さすがにこれにはマサシも本気でイラつき、神機を握る手に力を込めた。
そして…
マサシ「るっせぇっ!後だっつってんだろうがっ!」
振り向き様、マサシは神機をフルスイングする。
ただし、刃は向けず、平たい刀身自体を背後の何者かに振るったのだ。
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