マグネシウム騒動

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結局、帰りのヘリの中でマサシは 「コウタが1人で仲間を呼びに行くのが危険と判断して、タツミをコウタと一緒に行かせた」 とアリサに言い聞かせ、アナグラに帰還した後もサクヤに同じ理由を説明して、どうにかコウタとタツミの失点を回避する事に成功はした。 が、サクヤにはそれが2人を庇っての説明だとバレていたらしく、マサシはサクヤがタツミとコウタにお説教を終えた後、「仲間を想う事と、甘やかすことは別の話よ」と忠告される事となったのだった。 -同日・夜 フェンリル極東支部 エントランス- マサシ「とりあえず、あのあたりのアラガミもマータがやられて逃げたらしいし、マグネシウムも販売再開の目処がたったから、万々歳だな」 アリサ「軽く言わないで下さい。危険な状況だったんですから。…あ、そういえばマサシ」 マサシ「何?」 アリサ「さっきよろず屋で何か貰ってましたよね?何か追加報酬でも貰ったんですか?」 マサシ「あ~…いや、マグネシウム買い取ってもらったから、そのお代だよ、うん」 そう言うマサシの視線があらぬ方に泳ぐのを、アリサは見逃してはいなかった。 こういう時のマサシは、必ず何か隠し事をしている。 嘘や隠し事など後ろめたい事があれば視線が泳ぐのは、マサシ自身が気付いていないクセの1つだ。
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