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だが執拗に追い回されながらも、マサシは懸命に反撃に転じてはいた。
ヤケクソで撃ったレーザーはすでにマータの肩装甲を破壊していたし、少なからずダメージを負ったマータは、もはや意地でもマサシを捕食するべく、怒りを露にしている。
(…大変そうだな、相棒)
不意に、マサシの脳裏に声がした。
だが、マサシに慌てる様子は無い。
むしろ、声に安心さえしているようだ。
マサシ「出てくるのが遅ぇよ、喰われるかと思った」
(奴を観察してたのさ。…ありゃあ挫折を味わった事の無いタイプだな。人間をいつもならサッサと喰えるのに、抵抗と逃走の繰り返しで粘られてかなり頭にきてやがる)
マサシ「どうりで…さっきから攻撃がより激しくなったと思ったよ。…うわっと!」
連続して放たれた氷弾を間一髪で回避し、マサシは神機を銃身形態に変形させる。
(代わるか?)
マサシ「今はいい。…あまりアリサに<お前でいるところ>を見せたくないから」
言うや、マサシは足元に銃口を向ける。
マサシ「ちょっと痛いし無茶だけど…喰われるよりはいいか」
言うが早いか、マサシは足元目掛け、弾丸を発射するのだった。
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