25人が本棚に入れています
本棚に追加
「一番最初に思い付いたからさ。最初に思い付くって事はさ、俺の純粋な思いだと思うから」
「自分で言っててアレだが、かなり恥ずい事言ってるよな?俺」
母親の質問に素直に答えた父親は、自分の言った事に顔を赤らめていた。
「そんな事無いわ。とても良い事よ。それに、それぐらいの気持ちで考えなきゃ、この子が可哀想よ。だって私たちが付けた名前をこの子はこれから名乗り続けるんだもの」
母親は首を振り、微笑んだ。
「そうだな。大事な事だもんな」
父親もそう言いながら微笑んだ。
「じゃあ、この名前で良いわね?」
母親が父親に最終確認した。
「ああ。男の子なら"優気"、女の子なら"咲"だ」
父親も了承した。
「聞こえましたか~?君の名前、決まったよ~」
母親はお腹を触りながら、中に居る赤ちゃんに話かけた。
「はははっ。流石に聞こえないだろ」
父親は母親の行動を笑いながら見ていた。
「あらっ、分からないわよ?」
母親が反論した時"ポンポン"と赤ちゃんがお腹を蹴った。
「ほら、聞こえてるって」
「まさか、たまたまだろ?」
そう言いながら父親も少し驚いていた。
最初のコメントを投稿しよう!