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仁志の新しい名前が決まってら、しばらくの時が経ち、仁志と母親は病院に居た。
出産予定日が後数日となった為、病院から遠い所に住んでいた夫婦は、安全の為、入院する事にしたのである。
「橘香織(タチバナ カオリ)様~」
受け付けのナースが待機中の人を呼んでいた。
「あっ!はい!」
ナースの呼び掛けに反応したのは母親であった。
(母親は橘香織っていうのか。後は父親の名前だな)
仁志はやっと母親の名前が分かったようだ。
診察の時など、何度か知るチャンスは有ったのだが、その時仁志は寝てしまっていたのである。
「お手続きが整いましたので、お部屋の方へご案内致します。此方へどうぞ」
ナースに付いて行く香織。エレベーターを登り、しばらく歩いたナースは一つの扉の前で止まった。
「こちらが橘様が入られるお部屋になります。どうぞお入り下さい」
ナースは扉を開けて中に入るように促した。
中に入った香織は部屋を見渡した。どうやら部屋は個室のようだ。
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