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(うーん、母体の中に居る為か母親の声は外の声より聞こえやすいな)
音が聞こえるようになった仁志は暇つぶしに母親や、周りの音などを聞いていた。
「この子が産まれて会いに行けば、お父さんやお母さんは許してくれるかしら」
「正直無理だろう。親父もお袋も堅物だし、家を飛び出す時、絶縁状を叩き付けられたからな」
どうやら今は家に居るようだ。
母親が(仁志の)父親らしき人に聞き、父親は首を横に振りながら答えた。
(話から推測すると、この夫婦は親に子供、つまり俺だが、子供を産む事、と言うか交際を反対され、二人で駆け落ちしたって事か?)
仁志は二人の話を聞きこれから両親となる二人の家庭環境を少し理解した。
「それよりこの子の名前を決めようぜ!医者に聞いたんだろ?どっちだったんだ?男の子か?女の子か!?」
重い雰囲気を変える為か父親は多少興奮しながら母親に訪ねた。
「医者には聞かなかったわ。産まれた時のお楽しみにと思って。」
「それに、どっちが産まれてたとしても精一杯愛せるでしょ?私と貴方の子だもの」
母親は父親の質問に答え最後はお腹を優しくさすりながら父親に微笑み問いかけた。
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