Ⅰ,英雄と謳われた道化師

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僕がこの砦を守る兵士になると決めた時からずっと一緒にいる。 戦場で共に戦ったり、時には必死になって勉強を教えて貰ったりもした。 なんてったって、学生が本来の僕だから。 気がつけば隊長になってからもこうして一緒になるなんて思いもしなかった。 今では大切な仲間であり、守るべき部下でもある。 「べつに悪くはないですけど…それより私と一緒にお昼ご飯を食べませんか?…忙しいなら別に良いですけど…はい…//」 恥ずかしいのだろうか。 カレンの声が語尾に行くにつれて小さくなる。 そういえば最近、カレンはやけに敬語を使うようになった。 やはり上司として僕を見ているからだろうか。 何となく話の流れで言いたいことを感じ取った僕は「ちょうど暇だったし良いよ」と返事をする。 カレンは嬉しそうに飛び跳ねる。 「やったぁ!!久々の外食だぁ!!しかも隊長と一緒に!!隊長、私の奢りで良いですか?」 「いやいや。自分で食べる分は払うよ」 「良いですよ♪私が払います♪」 「そう?んじゃお言葉に甘えて。あと、僕のことはいつも通りにレヴァンって読んでくれよ。なんか幼馴染みに隊長って呼ばれると不思議な感じだからさ」 「何を言ってんですか隊長。貴方は私の上司でしょう!!そう呼ぶのが私なりの礼儀ってもんなんです!!」 「わかった。相変わらず堅苦しい奴だな。んじゃそう読んでくれ」 「ご理解戴けてありがとうございまぁす!!さあ隊長、食べに行きましょう!!」 「ちょ、ちょっと…そんな強引に引っ張られなくてもついて行けるって…」 カレンは無理矢理僕の腕を掴み、強引に引っ張っていく。 まさか女の子を相手に暴れるわけにはいかない。 僕はなんだかんだ言って、結局大人しく連れていかれる。 そんな日常的な平和はつかの間、僕たちはまた戦場に行かなくては行けない。 悲惨かも知れないが、残された自分達が生きるには戦うと言う手段しかない。 逃れることができない宿命と同じ。 僕たちは戦わなくてはならない。 平和である明日を掴むために。
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