3人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は笑顔でいつものようにお礼を言うと、やっぱりヤキモチを妬いたのか、カレンが僕の足を踵で踏みつける。
「イ!?」
「どうしたの?隊長?」
「な、何でもないよ……」
必死になって痛みを堪える僕。
するとそこへ、見た人の度肝を抜くようなてんこ盛りのカレーライスをお盆を運んでくる男がいた。
僕ら『第7特殊強襲隊』の紅い軍服を腰に巻き付け、黒いタンクトップを着ている。
ガッチリとした筋肉質の体。
隆々と盛り上がる筋肉はまさに百戦錬磨の軍人を思い浮かばせる。
金色の短髪を逆立て浅黒い凛々しい顔に、首には真っ白なタオルが巻いてある。
いかにも訓練帰りを想像させる。
彼の名前はケヴィン・マース中尉。
僕ら『第7特殊強襲隊』の隊員であり、戦闘要員で唯一"中尉"という高い階級を持っている。
ちなみに僕の階級は少尉で彼の1つ下だ。
歳は僕と同じだが、僕よりもキャリアがある強者である。
彼の兄と親父さんはこの軍の上層部に所属しているらしいが、定かでは無いのが事実。
ケヴィンは僕に気が付くとゆっくり歩きながら僕の右隣に座る。
「よう隊長殿。今からお昼かい?」
「あぁ。もしかしてケヴィンも?」
「おう。オレはさっき訓練から帰ってきたばかりで腹ペコだ。よかったらご一緒させてもらうがどうだ?」
「構わないよ。一緒に食べたほうが楽しくて良いだろ?」
正面に座るカレンの視線が僕をズバズバと貫いていく。
あぁ、痛い痛い。
最初のコメントを投稿しよう!