*友情……亀裂*

29/31
前へ
/1135ページ
次へ
しばらく沈黙が続いた後、一貴は重そうな口を開いた。 「実は前……潤未ちゃんに聞かれたんだ。歩花ちゃんのこと」 心臓の鼓動が、高鳴る。 「潤未ちゃん……感づいてた。歩花ちゃんが、悦徳のこと、好きなんじゃないかって」 ――やっぱり、そうなんだ。 言葉が出ない。返事をすることができない。 歩花はただ黙って、暗い道を歩き続ける。 「否定は……した。でも、納得はしてくれなかった。だから潤未ちゃんは、自分の目で確かめるって言ってた」 だから今回潤未は遊園地に誘ったのだろうか。だから悦徳と二人にさせたがっていたんだろうか。 全部――歩花の気持ちを確認するために。  
/1135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1404人が本棚に入れています
本棚に追加