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しばらく沈黙が続いた後、一貴は重そうな口を開いた。
「実は前……潤未ちゃんに聞かれたんだ。歩花ちゃんのこと」
心臓の鼓動が、高鳴る。
「潤未ちゃん……感づいてた。歩花ちゃんが、悦徳のこと、好きなんじゃないかって」
――やっぱり、そうなんだ。
言葉が出ない。返事をすることができない。
歩花はただ黙って、暗い道を歩き続ける。
「否定は……した。でも、納得はしてくれなかった。だから潤未ちゃんは、自分の目で確かめるって言ってた」
だから今回潤未は遊園地に誘ったのだろうか。だから悦徳と二人にさせたがっていたんだろうか。
全部――歩花の気持ちを確認するために。
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