1404人が本棚に入れています
本棚に追加
潤未からは……逃げたくない。
きちんと応援してるという気持ちを伝えないと。潤未のことをこれ以上傷つけないから、と伝えないと。
確かに悦徳のことは好きだった。
けれど今は――……違う。“違う”んだ。
この気持ちを消すって決めたから。潤未を応援するって決めているから。
だから消さなきゃ、いけないんだ。
歩花はうつむき自分の胸元で拳を握りしめた。強く。
「でも歩花ちゃん……無理しないでね」
一貴は優しくそう言ってくれる。
だけど……いつまでも時間の流れに任せて甘えてなんかいられない。
時間が経てば悦徳への気持ちが消えるなんて、甘い考えじゃいけない。
悦徳への気持ちを完全に消すためには
――悦徳から、離れるしかない。
最初のコメントを投稿しよう!